ビットコインをはじめとした暗号資産で投資を行っている方であれば、「半減期」という用語を一度でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
半減期は暗号資産を取り巻く環境に大きな影響を与えるため、取引を始める前にこの概念を理解しておくことが重要です。
今回は、ビットコインの半減期とは何か、半減期が起きることでどのような影響があるのかについて詳しく解説していきます。
ビットコインの半減期とは
ビットコインの半減期とは、ビットコインの新規発行枚数が通常の半分になるタイミングのことをいいます。
半減期はおおよそ4年ごとに発生し、具体的な間隔はビットコインのプロトコルに組み込まれています。
ビットコインの半減期はなぜ起きるのか
半減期とはビットコインが持つ特徴のひとつでもあります。
ここでは、なぜ半減期が起きるのかについて解説していきます。
ビットコインの発行量を調整する必要があるため
日本銀行は法定通貨を発行し、その流通量を調整すること通貨の価値を保っています。
しかし、暗号資産には主たる管理者が存在しないためこのような調整ができません。
多くの暗号資産は発行上限が設定されており、例えばビットコインであれば発行上限が2100万BTCと定められています。
需要が年々増加するという想定のもと、暗号資産の発行量を徐々に減少させる仕組みが半減期によって導入されています。これにより希少価値が高まり、急激なインフレを防ぐことを意図しています。
このように、あらかじめ発行上限が設定されていることで、暗号資産の価値が維持される仕組みとなっています。
ビットコインの半減期が与える影響
半減期は多方面にわたり影響を与えています。
ここでは、ビットコインの半減期が与える影響について解説していきます。
投資家に与える影響
ビットコインの価格は半減期の翌年に上昇している傾向があります。
投資家は、価格上昇前にビットコインを購入し、価格が上昇した後に売却することで、大きな利益を得ることができるかもしれません。
ただし、新型コロナウイルスの影響や終結が見えないウクライナ情勢などの政治状況もあり、暗号資産の動向を正確に予測することは非常に難しく、プロの投資家でさえも困難とされています。
価格への影響
半減期ごとに市場へ供給されるビットコインの数量が減少するため、価格には大きな影響があります。
現在、企業や個人が暗号資産を所有する傾向が増えており、中南米に位置するエルサルバドル共和国や南アフリカ共和国などではビットコインを法定通貨として採用しています。
ビットコインなどの暗号資産は、投資家の心理状況によって価格が大きく変動することがあります。
半減期後に価格が上昇するという情報が広まり、ビットコインの購入量が増えることで、価格が急上昇する可能性があります。
マイニング企業やマイナーへの影響
半減期の後にマイニングの報酬が半減することで、マイニング企業やマイナーに大きな影響を与えます。報酬の減少により、採算が合わなくなると撤退する企業も増えるかもしれません。
ビットコインは2021年に価格が急騰しましたが、2022年には価格が大幅に下落しました。
価格の長期的な下落により、一部のマイニング企業は資金調達のためにビットコインやマイニングマシンを売却するという動きを見せています。
このような企業によるビットコインの大量売却は市場に供給量を増やすことになります。需要よりも供給が増えると、価格が下落する可能性があります。
ビットコインの半減期に向けてやっておくべきこと
半減期の前後には、市場の動きが予測しにくくなることがあり、価格の変動が生じることが多いです。
ここでは、ビットコインの半減期に向けてやっておくべきことについて解説していきます。
半減期の数か月前はビットコインの値動きを気にしておく
半減期前にビットコインを増やしたい方や、既に保有していて価格上昇時に利益を確定したい方にとって、半減期前の数カ月は価格の変動を細かくチェックすることが重要です。
半減期前には大きな価格変動が頻繁に起こるという特徴があります。価格が一定水準に達した時点で急落する可能性も考えられます。
価格変動に備えるために、一定の価格を上回ったり下回ったりした場合に価格アラートを受け取る設定を行うなど、適切な対策を取ることをおすすめします。
ビットコインの価格上昇を見越して早めに買っておく
「半減期には価格が上昇する可能性が高い」と判断し、購入を決定した場合は、迅速に行動を起こすことをおすすめします。
半減期を振り返ってみると、長期的に見ると価格が上昇しているにもかかわらず、短期的には価格が下落している期間が存在することがあります。価格の上昇が始まるのは半減期の数カ月前からかもしれないため、注意が必要です。
したがって、価格上昇のタイミングを逃さないように、決断したら早めに行動に移すことが重要です。
ビットコインの半減期に関するよくある質問
ビットコインの半減期に関するよくある質問は以下の通りです。
ビットコインの半減期までに初心者は何に投資するべき?
半減期はビットコインの買いの好機となることが予想されるため、半減期までの期間にビットコインの積み立て投資をおすすめします。
過去の半減期では、価格は一時的に乱高下しながらも、半減期前に下落し、イベントを終えた後に徐々に上昇する傾向がありました。
タイミングは注意が必要ですが、過去のデータからは、半減期後に価格が上昇する傾向が示されています。このタイミングを見計らって、半減期後の上昇に期待してビットコインを購入することを検討してみましょう。
仮想通貨取引所では自動積立サービスが提供されており、ビットコインを含む仮想通貨を簡単に積み立てることができます。このサービスを利用することで、定期的な購入を行いながら効果的な投資を実践してみましょう。
ビットコインの半減期でバブルは来る?
ビットコインが次の半減期で必ずしもバブル相場になると断言することはできません。しかし、過去の3回の半減期を見ると、翌年にはバブル相場が発生している傾向があり、その可能性は高いでしょう。
ただし、バブル相場が生じるためには、経済状況が好調であったり、仮想通貨市場に関連する重要なニュースが発表されたりするなど、特定の条件が必要です。
これらの条件が整わない限り、バブル相場は起こりにくいといえます。
ビットコイン以外の通貨にも半減期はある?
半減期という仕組みは、ビットコイン以外にも存在します。
例えば、「ビットコインキャッシュ」、「モナコイン」、「ライトコイン」、「ジーキャッシュ」といった暗号資産も半減期を持っています。
その一方で、暗号資産イーサリアム(ETH)は半減期の概念がなく、発行上限も設けられていません。ただし、イーサリアムはシステムのアップデート時にマイニング報酬の調整が行われることがあります。
同様に、暗号資産リップル(XRP)にも半減期のようなシステムは存在しません。発行上限は約1000億XRPと定められており、リップル社が約半分を保有しています。また、リップルでは取引ごとに手数料が減少する仕組みが採用されています。
以上のように、ビットコイン以外の仮想通貨においても、半減期や発行上限のシステムが異なる場合があります。
まとめ
ビットコインの半減期とは、ビットコインの新規発行枚数が通常の半分になるタイミングのことです。このイベントは、ビットコインのマイニング報酬を減らすことでビットコインの供給量を制限し、希少性を高めることを目的としています。
半減期はビットコインの特徴のひとつであり、取引所や投資家にとって重要な意味を持ちます。半減期の前後には市場の動きが予測しにくくなることがあり、価格の変動が生じることも考えられます。
投資家やマイナーは半減期を注視し、ビットコインの将来の動向に関する予測を行う必要があります。ただし、価格の変動は市場の要素や需給の変化によって影響されるため、価格は様々な要因によって変動していきます。
半減期が価格上昇の直接的な要因となるわけではありませんが、供給の減少が需要とのバランスを変える可能性があるため、半減期を重要な指標としてトレードを考えましょう。
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